八代綜合法律事務所|熊本県八代市|弁護士・司法書士・民事/刑事事件・労働問題・交通事故・離婚問題・相続問題

新年度が始まり、お子さんやお孫さんが進学や就職のために一人暮らしを始めるというご家庭もあるでしょう。そのようなご家庭では、お子さんが高額の商品を売りつけられるなどの契約上のトラブルに巻き込まれないかという心配もあると思います。そこで今回は、未成年者の契約についてお話しします。
なお、先日、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案が閣議決定されたというニュースがありましたが、少なくともあと数年間は、法律上の「未成年者」は、20歳未満の方を指します。

民法は、未成年者が契約などの法律行為をするには、法定代理人(主には親権者)の同意を得なければならないと定めています。そして、法定代理人の同意を得ることなく行った未成年者の法律行為は、取り消すことができるとされています。親権者が法定代理人の場合で、親権者が2名いるとき(父母ともに親権者のとき)は、両方の親権者の同意がなければ、その行為は取り消すことができます。
契約が取り消された場合には、はじめから契約がなかったものと扱われます。そのため、未成年者が契約の相手にお金を支払ったり、渡した物があるときには、その返還を求めることができます。一方、契約の相手から受け取った物があるときは、未成年者は、契約を取り消したときに残っている利益を返せばよいことになっています。
このようにして、法律は、社会経験が乏しい未成年者を保護するための定めをおいています。

以上が原則ですが、未成年者の法律行為でも取り消すことができない場合もあります。

例えば、親権者から目的を定めて処分することを許された財産の処分や、親権者から一定の営業を行うことを許された未成年者が、その営業の範囲で行った行為は取り消すことができません。また、結婚経験のある未成年者の行為は取り消すことはできません。未成年者が、自分は成人していると嘘をついて契約を結んだ場合も、取消は認められません。
また、もともとは取り消すことができたけれども、後から取り消しができなくなる場合もあります。例えば、未成年者が契約を結んだ後に、親権者が同意(追認)をしたときや、追認ができるときから5年が経ったときは、もはや取り消すことができなくなります。

お子さんやお孫さんが契約トラブルに遭遇したときには、未成年者の契約は取り消すことができることがあるのを思い出して頂き、冷静に対応してください。また、一人暮らしを始める
お子さん方に対しては、何か問題が起きた場合には、近くの弁護士事務所や法テラスに連絡をして弁護士相談を受けるようアドバイスしておいてもよいと思います。

※八代市の無料情報誌「やつしろぷれす」平成30年4月号に掲載されたコラムです。