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遺言は、自己の財産について示す最後の意思表明です。日本では、民法で遺言制度を定めており、遺言者の最後の意思を尊重することとしています。しかし、せっかく遺言を残しても、要件をみたさなければ無効とされるとともあります。そこで、今回は、主に遺言の要件についてお話しします。

▼遺言自由の原則

遺言は、15歳以上の人であれば誰でも自由にすることができます。一度遺言をしても、遺言をするのと同じ方式で、自由に撤回することができます。

▼遺言の方式

主な遺言の方式としては、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3つがあります。(その他、特別な方式として「危急時遺言」「隔絶地遺言」がありますが、今回は説明を省きます。)

①自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者がその全文・日付・氏名を自書して、押印することで作成することができます。パソコンなどのコンピュータを使った作成は認められません。文字を書くことができる方であれば、費用をかけずに、まわりに知られることなく作成することができる方式ですが、内容が不明確であったりすると、相続人の間で争いが生じてしまうおそれがあります。

②公正証書遺言

公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授して作成する方式です。遺言者が口をきくことができない場合には、代替の方法をとることもできます。費用はかかってしまいますが、遺言書の作成に公証人が関与しますので、遺言の効力や遺言の意味について、相続人の間で争いとなるおそれが少なくなるのが最大のメリットといえます。

③秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言者が、遺言書に署名・押印をし、同じ印鑑で封印をし、公証人1人と証人2人以上の前に封書を提出して自己の遺言であると
とや氏名・住所を述べるなどして作成する方式です。代筆や、パソコンなどのコンピュータをつかって作成することもできます(ただし、名前は自署する必要があります)。公証人が関与しますが、公証人に内容を口授する必要はありませんので、まわりに内容を知られずに作成することができます。一方で、公証人が遺言の内容に関与しないため、遺言の効力や遺言の意味について疑義が生じる可能性があります。

▼最後に

どの方式で遺言をするのが良いかについては、それぞれの事情に応じて異なりますので一概には言えません。遺言をすることをご検討の場合は、どのような内容にすれば、ご自分の望むかたちになるかということも含めて、一度、弁護士などの専門家にご相談されるとよいでしょう。

※八代市の無料情報誌「やつしろぷれす」平成29年7月号に掲載されたコラムです。